アンティーク家具に使われている木材の種類について

アンティーク家具

アンティーク家具は、当たり前ですが、ほぼ木で作られています。一見、同じように見える木ですが、実は、いろんな木材を使って作られていて、雰囲気も様々。

使われている木材にもそれぞれ、いろんな特徴があるので、選ぶ時のポイントにもなります。

ここでは、アンティーク家具を作っている木材についてお話するので、自分の好きな雰囲気の木を選んでみてください。


オーク材を使ったアンティーク家具は、彫りがたっぷり入っています。

オーク材を使ったアンティーク家具
オーク材のサイドボード。
一番上の引き出しは虎斑が入っています。

アンティーク家具の中でも一番多く使われているのが、オーク材です。
オーク材とは、日本名でナラ材のこと。ナラの木は、日本でも婚礼ダンスなどのよく用いられてきた、とても堅い木なので、彫りに向いています。
なので、アンティーク家具の中でも、彫刻の多いものはオーク材が使われているものが多いです。

また、木目がハッキリしているのも特徴です。時々、タイガークランクと呼ばれる虎の模様が入っているのも特徴です。日本では虎斑(とらふ)と呼ばれるこの独特の模様はなんとも言えず美しいので、私も虎斑のアンティーク家具を見つけると、出来るだけ買い付けてくるようにしています。

強度があって耐久性に優れているので、床材やウィスキーの樽としても使われてきました。使い込むほどに深みのある色に変化し、磨けば磨くほど味わい深くなるので、中世から家具材として使われているのも納得です。


高級感あふれるマホガニー材を使ったアンティーク家具

マホガニー材を使ったアンティーク家具
マホガニー材のキャビネットは
象嵌など繊細なデザインが多いです。

もともとマホガニーとは、センダン科マホガニー属の常緑樹からとれる木材のことの総称を言います。艶やかな木肌で赤褐色は、家具に用いられた時、とても高級感があります。なので、英国ではマホガニーが好まれアンティーク家具としても残っているのですが、もともとマホガニーは英国では採れない木。

かつて、イギリスが植民地を保有していたころは、カリブ海やアフリカなどから英国に運びこんで家具に加工していましたが、現代は植民地はもちろんありませんし、ワシントン条約で取引が制限されているので、入手するのがとても困難な材料です。

そんな理由で、最近の家具では見ることが出来ないマホガニー材の家具。最高級のマホガニー材で造られた贅沢な家具は、もう、アンティーク家具でしか見つけることは出来ません。しかも、本当に美しいマホガニーの色は100年かかると言われています。ぜひ、高級感あふれるマホガニー材を使ったアンティーク家具を使ってみて欲しいな・・・と思います。


なかなか見つからないローズウッドを使ったアンティーク家具です。

ローズウッド材の家具
ローズウッドは、なんとも言えない独特の美しさ。
とにかく硬いんです。

ローズウッドの家具は、正直、アンティークでもなかなか見つからない逸品です。とても希少価値が高く、最高級家具として扱われるローズウッド材。

ローズウッドはマメ科に属する広葉樹で、切った木の切り口から甘いバラのような香りがすることからローズウッドという名前が付けられた木です。聞いているだけでもうっとりしてしまうような木です。

木目の美しさはもちろん、堅くて刃物がダメになってしまうほどの硬さが特徴。とは言え、ローズウッドもワシントン条約で取引が制限されているので、本物のローズウッドの家具は、少し年代の古いアンティーク家具だけになってきています。


現代の家具でも人気のウォルナット材を使ったアンティークの家具

ウォルナット材の家具
ウォルナット材の家具は、
アンティークだけではなく、
最近シンプルモダンの家具としても人気です。

ウォルナットとは、日本名がオニグルミ。そう、鬼のように硬いかどうかはわかりませんが(笑)クルミの木です。世界の三大銘木に挙げられるウォルナット材は、硬さはもちろん、狂いも少ないので、家具にするにはもってこいの木です。

でも、何より一番の特徴は、木の色。とても濃いこげ茶色の木肌がなにより特徴です。この独特のウォルナット材の色を真似て、濃い焦げ茶色の家具を「ウォルナット色」と表現することも多いです。

とても堅くて、いい音色を出すので、昔から楽器などにも用いられてきたウォルナット材は、現代の家具でもよく用いられます。彫っても彫っても濃い茶色は、シンプルな家具からデコラティブな家具まで幅広く使われます。

普通、木は日光が当たると色が濃くなっていきますが、ウォルナット材は色が薄くなっていくのも特徴です。アンティーク家具の場合は、ワックスを塗ると、艶が出ていい雰囲気になります。


北欧インテリアのピッタリのチーク材を使ったヴィンテージ家具

チーク材の家具
G-PLANのサイドボード。
シンプル系の家具はチーク材でかっこよく

最近人気の北欧インテリア。シンプルなデザインで人気のある、G-PLANやネイサン社のヴィンテージ家具にはチーク材が多く使われています。

世界の三大銘木の一つに選ばれるチーク材は、堅く、色が美しいことから、オリエント急行などの高級列車や、豪華客船クイーンエリザベス号などの内装に使われてきました。内装材として使われたチーク材は、なんとも高級感あふれる落ち着いた空間を演出してくれます。

また、油分が多く、屋外でも腐りにくいので、船やクルーザーなどの甲板にも使われてきた木なんです。

シンプル系の家具では、突き板で使われることも多いのですが、なんともスッキリとした木目の美しさで、お部屋をかっこよくまとめてくれますよ。


パイン材を使ったアンティーク家具

パイン材の家具
パイン材の家具は、
なんとも言えない温かみが感じられます。

ナチュラルな雰囲気を演出するなら、やっぱりパイン材が一番!昔から使われているパイン材。パイナップルではなく(笑)松の木です。
パイン材は、今も昔も比較的安価なので、無垢材で作られている家具が多いです。

柔らかいので、キズがつきやすく、ちょっと物を落としても凹むのですが、逆にお直しするのも簡単です。

フランスからやってくるペイントの家具なども土台はほとんどパイン材です。もともとペイントを塗ってある場合もありますが、パイン材の家具を使って飽きてきたり、汚れたりしたものをキレイに見せる意味でペイントしている場合がほとんどです。

昔からカントリー家具が好きな方にはとても好まれてきたパイン材の家具は根強い人気です。(私も個人的に大好き!)節があって、あたたかい雰囲気のするパイン材のアンティーク家具です。